日本国名勝画譜(一)

Eiho MaruyamaEiho Maruyama
「日本国名勝画譜」 昭和三十六年夏日 永畝



「昭和三十六年の夏から秋にかけて、永畝は『日本国名勝画譜』と題して四冊の画帖を編んでいる。この画帖は、その名が示すように、永畝自身がかつてその地に赴き、実景描写した写生画をもとに、全国の名勝地を再び描き直したものである。写生帖に描かれた風景と合致するものもあるが、中には永畝本人が実際に現地に赴いた事実が確かめられない場所も見出される。生涯頻々と写生旅行に出かけた永畝であるが、その範囲は意外に狭く、知られる限りでは、奈良・京都を中心とした近畿周辺と、関東甲信越周辺の地域に限られ、東北・北海道および中国・四国・九州の地は足を運んだ形跡がない。そこには、外へ拡がる世界より、内の世界の充実を望んだ永畝の志向が反映しているように思われる。」

世田谷区郷土資料館発行 「野の画人 丸山永畝の写生帖」から
高杉尚宏氏「丸山永畝の人と画業」 より抜粋







1Eiho Maruyama
富士白糸の瀧

2Eiho Maruyama
日光 神橋

3Eiho Maruyama
伊豆半嶋

4Eiho Maruyama
相州七里ヶ浜

5Eiho Maruyama
多摩川の梅林

6Eiho Maruyama
武州 長瀞 夏の景

7Eiho
Maruyama
白雲山 朝烟

8Eiho Maruyama
妙義山 第一石門

9Eiho Maruyama
中央線 上の原

10Eiho Maruyama
塩原 天狗岩

11Eiho Maruyama
冬の木曽谷

12Eiho Maruyama
夏の富士 賤機山上

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富士山麓 溶岩地帯

14Eiho Maruyama
鳥澤の渓流 村社祭禮

15Eiho Maruyama
千曲川の流域

16Eiho Maruyama
 神城村

17Eiho Maruyama
雪山茅屋

18Eiho Maruyama
松本城

19Eiho Maruyama
信濃 善光寺

20Eiho Maruyama
御岳 覚円峰

21Eiho Maruyama
乗鞍山

22Eiho Maruyama
有明山






7
白雲山は、群馬県の妙義山を構成する山のひとつで白雲山の相馬岳が最高峰だそうです。
朝烟の「烟」は「煙」の別字で、けむり、かすみ、もやの意味だそうです。
枝に赤い柿の実がいっぱい、右の木は大きな葉がやさしい感じがします。
かすむ岩山のふもと、静かな山里の朝です。

9
山梨県上野原市を流れる川は山中湖を源とする桂川で、この橋は桂川橋だと思いますが、木造のように見えます。すぐ隣接する神奈川県にはいると相模川となり相模湾へと流れていきます。相模川にダムができ相模湖が誕生したのは昭和22年だそうです。この絵はダムのできる前だとは思いますが、のどかな春の景色です。

10
大正3年頃の写生帖に塩原の写生があるので、その頃の絵を元にして描いたのだと思いますが、大正の頃塩原まではどうやって行ったのでしょう?・・・
塩原温泉の歴史を見ると明治45年に塩原軌道という鉄道が開通し大正時代には塩原口まで電車が通っていたということです。
こちらのページを参考にしました→ 塩原軌道の廃線跡をたどる
夏目漱石が塩原に来たときのことが書いてあります→夏目漱石  


天狗岩

天狗岩は遠くから見ると壁のようです。上まで登れるそうです。望遠で写真を撮ると手すりのようなものが見えます。

天狗岩


11
荒木十畝の年表に、雪景色を写生するために東北地方を旅行するという記録がありました。当時の交通事情で冬の時期に旅行し、戸外で長時間絵を描くのはさぞ大変だったことでしょう。

永畝が諏訪から上京したのは明治39年でしたが、その前の年に中央線が岡谷まで延伸開業したことがわかりました。
中央線は明治22年に新宿ー立川間が開通したあと、明治34年に上野原、36年に甲府、韮崎、37年に富士見と着々と伸びてついに38年、永畝の住む上諏訪に駅ができたのです。19歳だった永畝はこの開通を待ち望んでいたのかも知れません、翌年早速東京へ向かいます。鉄道が開通するということ、世界が急に開ける感じは想像以上のものがあったと思います。

14
鳥沢は山梨県大月市、中央線の鳥沢駅付近の地図を見てみました。
渓流は桂川だとして、丘の上にある神社が、はたしてどの神社なのか・・
図録に写生帖に描かれた鳥沢付近の絵(昭和17年)が載っていますが、これはその絵の神社を中心にした部分を詳しく描いているようです。
桐の花でしょうか紫色の花が映えています。
幟の立った参道は結構坂道がきつそうです。神社の祭礼に三々五々向かう人々の様子がのどかな光景です。
村社祭禮
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