この絵本は講談社にも無く、他ではなかなか得られない資料を収蔵しているといわれる芝の三康図書館へ行ったのはずいぶん前のことでした。貸出はできないのでそのページだけコピーしていただきました。
その後古本市でこの絵本を見つけて購入しました。
戦前の絵本がよく保存されていたものだと感慨深かったです。
裏表紙の広告にも時代を感じます。
「花づくし」に載った挿絵は「けいとう」です。
諏訪出身の画家、佐原永泉氏の「丸山永畝先生の思い出」に絵本の挿絵について記述があります。
総じて先生のお好きな描き方は、豪快な付立(つけたて)描きで、椿・牡丹・花菖蒲・大輪菊などを華麗に仕上げることのようであった。講談社の子供向絵本画にも、十畝や秀畝と共に動植物を描いているが、魚ならマグロ、花なら鶏頭など、「一番大きいものを描かせてもらった」と笑って話された。豪放磊落という言葉がぴったりのお人柄であったような気がする。
参考:図録「野の画人 丸山永畝の写生帖」より
佐原永泉氏 三昧至楽
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絵本のうちまだ見たことのなかった「魚ずくし」が、青森の古本屋さんにあることがわかり、手に入れることができました。
状態もよく、ページをめくるたびにドキドキしました。後ろの方に永畝の描いた「まぐろ」がありました。
他のページもすばらしい絵が並んでいます。
池上秀畝は「たい」でした。
当初の絵本は昭和12,3年頃の発行でしたが、これは昭和24年発行のものです。